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財務諸表の読み方を住宅ローンと家計を例に判り易く解説(中小企業診断士)

06:中小企業診断士試験

財務諸表とは、企業の経営状況や財務状況を数値で表したものです。財務諸表には、損益計算書、貸借対照表などがあります。しかし、財務諸表は専門的な用語や計算式が多く、初心者にとっては難しく感じるかもしれません。そこで、この記事では、財務諸表の基本的な読み方を、身近な例である住宅ローンと家計に例えて説明します。

住宅ローンと家計を企業に見立てて、財務諸表の各項目と対応させてみましょう。1500万円の建物と2500万円の土地を購入し、ローン返済するケースで説明します。
▼説明の全体像です。それぞれのステップに区切って説明します。

貸借対照表とは、ある時点(通常は期末)における企業の資産と負債・純資産をまとめたものです。資産は企業が所有するもので、現金や在庫、設備などです。負債は企業が支払うべきもので、借入金や未払金などです。純資産は資産から負債を引いたもので、企業の自己資本と言えます。住宅ローンと家計で言えば、資産は土地や住宅などです。負債は住宅ローンなどです。純資産は資産から負債を引いたもので、自己資金による土地と住宅の持ち分と言えます。

▼1500万円の建物と2500万円の土地を、自己資金1500万円を頭金として2500万円のローンを組んで購入した時点の貸借対照表です。総資産(今ある資産)と、負債(お金の集め方)は左右で同じ金額になります。

損益計算書とは、一定期間(通常は1年)における企業の収入と支出をまとめたものです。収入から支出を引いたものが純利益となります。住宅ローンと家計で言えば、収入は給与やボーナスなど、支出は食費や光熱費、住宅ローンの返済などです。純利益は、収入から支出を引いたもので、家計の黒字と言えます。

▼家計の損益計算書です。2023年は250万円の黒字が出ました。

ローンの返済についてみてみます。2023年に年収の中から300万円のローンを返済しました。ローンの負債額が2500万円から2200万円へ減少します。では返済した300万円はどこに行くのでしょうか。土地と建物の資産の総額のうち、自己資金分が1500万円から1800万円へ増額した事になります。つまり自分の土地と建物は1800万円分の返済が完了していて、純粋な自分の持ち分が増えたという事になります。

▼ローン返済分を貸借対照表に組み込んだ図です。(企業で言うと負債を返済した様子です。厳密には返済という貸借対照表の勘定科目は無いのでイメージとして捉えてください。)

最後に250万円の黒字はどこへ行くでしょうか。左側の総資産は土地と建物に加えて250万円の貯金が増えました。剰余金をローン返済に充てても良かったのですが、将来への備えとして貯金したのです。よって右側には剰余金として自己資金の余裕が生まれた事を表しています。

▼250万円の貯金をした後の貸借対照表です。企業で言うと2023年の利益により現金の資産が増えた様子です。

実際の企業だと建物は減価償却といった処理が必要になります。原価償却の考え方は家計を例に説明するのが少し難しいので、それは別の機会に説明します。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

その他、中小企業診断士の勉強に役立つ筆者の投稿です。よろしければご参照ください。
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