コールオプションとプットオプションとは、将来のある時点で、あらかじめ決められた価格で、ある商品や通貨などを売買する権利のことです。
コールオプションはcall=呼ぶ=物を外国から呼ぶ=輸入する業者向け、と覚えましょう。プットオプションはput=置く=物を外国へ置く=輸出する業者向け、と覚えるとよいでしょう。
権利を持つ人は、オプションを買う人で、この権利を売る人は、オプションを売る人です。オプションの種類によって、買い手と売り手の立場は異なります。
※2024/5/1:文中の「売り・買い」と「円安・円高」の説明が一部入れ違いになっていた様です。BOLD文字と取り消し線で訂正しています。お詫び申し上げます。
コールオプション(call=呼ぶ=輸入する業者)
コールオプションとは、将来のある時点で、あらかじめ決められた価格(行使価格)で、ある商品や通貨などを買う権利のことです。例えば、輸入業者は、円安になると輸入コストが高くなります。円安に備えて、コールオプションを買っておけば、将来のある時点で、円安円高になった場合は、行使価格で円を売ってドルを買うことができます。円高円安になった場合は、コールオプションを行使しなくてもよく、市場で円を売る買うことができます。つまり、コールオプションを買うことで、円高になった場合のメリットは確保しつつ、円安になった場合のデメリットは回避することができます。
▼図の例でいうと、1ドル140円になっても権利行使すれば1ドル100円で輸入できることになります。1ドル80円なら権利行使せずに80円で輸入すればよいわけです。
プットオプション(put=置く=輸出する業者)
プットオプションとは、将来のある時点で、あらかじめ決められた価格(行使価格)で、ある商品や通貨などを売る権利のことです。例えば、輸出業者は、円高になると輸出収入が減ります。円高に備えて、プットオプションを買っておけば、将来のある時点で、円高円安になった場合は、行使価格で円を買ってドルを売ることができます。円安円高になった場合は、プットオプションを行使しなくてもよく、市場で円を買う売ることができます。つまり、プットオプションを買うことで、円安になった場合のメリットは確保しつつ、円高になった場合のデメリットは回避することができます。
▼図の例で言うと、1ドル80円になったら権利行使して1ドル100円で円換算できるわけです。1ドル140円になったら権利行使せずに1ドル140円となるわけです。
コールオプションとプットオプションは、それぞれ対称的な関係にあります。コールオプションの買い手は、行使価格よりも市場価格が高くなることを期待しています。一方、コールオプションの売り手は、行使価格よりも市場価格が低くなることを期待しています。同様に、プットオプションの買い手は、行使価格よりも市場価格が低くなることを期待しています。一方、プットオプションの売り手は、行使価格よりも市場価格が高くなることを期待しています。
オプション料=損をしてもその額に限定される手数料みたいなもの
コールオプションやプットオプションを買う人は、その権利を得るために、あらかじめ決められた金額(オプション料)を支払わなければなりません。このオプション料は、コールオプションやプットオプションの価値に影響する要因(市場価格や行使価格の差額や、満期までの期間や、商品や通貨の価格変動の度合いなど)によって決まります。オプション料は、オプションを売る人の利益になります。
まとめ
コールオプションとプットオプションは、将来の価格変動に対するリスクを軽減するためのヘッジとして使われることが多いです。しかし、オプションを買う人は、オプション料を支払うことで、コストがかかります。また、オプションを売る人は、オプションが行使された場合に、損失を被る可能性があります。したがって、オプション取引には、メリットだけでなく、デメリットもあります。オプション取引をする前には、十分にリスクやコストを理解しておく必要があります。
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