最近、出逢った素敵な演奏です。下のYouTubeMusicリンクから、ぜひ聞いてみてください。
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ピアノの音が、まだ夜の残り香をそっと撫でていく。
静かなはずなのに、鍵盤の一音ごとに“揺れ”がある。
それは誰かの心が、昨日の続きを小さく呼吸しているような音。
言葉よりも深く、沈黙よりも確かな、さざ波みたいな想いが胸の奥をかすめる。
旋律が上がるたび、何かがほどけていく。
きつく結んでいた小さな糸のような感情。
「もういいよ」と言われたようで、「まだそこにいていいよ」とも言われたようで、
どちらにも寄り添わず、ただ在る音。
静寂と音のあいだにある間(ま)が、たまらなく優しい。
その“間”にこそ、人が人を想う理由が隠れているのかもしれない。
慰めや励ましではなく、
誰にも触れられない部分に、そっと光を差すような優しさ。
ピアノの低音が少し深く沈む瞬間、
自分の中に残っていた「痛み」が、
もう“悲しみ”ではなく、“形のある記憶”としてそこに立っているのを感じる。
流れ出すでもなく、閉じ込めるでもなく、
ただ呼吸するように生きている記憶。
この曲を聴いていると、
“人の心って、壊れることもあるけれど、完全には消えないんだ”と思う。
やさしさの欠片は、どんなに薄れても音の中に漂い続けて、
また誰かの胸の奥で小さく鳴る。
音楽は、誰かを思い出すためのものじゃなくて、
自分の中の“まだ大切にできる部分”を探し出すためにあるのかもしれない。
今日もまた、その欠片をひとつ拾い上げて、
そっと胸の奥に戻す。
そして小さく息を吸う。
新しい朝の光が差し込んで、
ほんの少しだけ、昨日より優しくなれた気がした。

